日本国内の利用率が50%を超えるSNSであるX(旧Twitter)で、ショッピング機能が導入されました。自社ECサイトと連携することで、Xの強みであるリアルタイム性や高い拡散力を活かしながら、X上で直接販売できます。
2026年2月現在では米国ユーザーが利用対象ですが、今後日本でもサービス開始となる可能性もあります。利用できるようになった際にすぐに販売につなげられるよう、ショッピング機能の大まかな設定方法をあらかじめ理解しておくと安心です。
本記事では、Xで販売を行うメリットや具体的な販売手順を紹介します。成果を高めるための実践ポイントもわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

Xで販売するメリット
リアルタイムに情報を発信できる
Xはリアルタイム性が高いSNSのため、キャンペーン企画や新商品の情報を即時に多くのユーザーに届けることができます。トレンドや今注目を集めている話題に絡めて宣伝できれば、二次拡散・三次拡散も期待でき、リーチ拡大も図れます。
拡散力が高い
ハッシュタグやリポスト機能、注目を集めているトピックが表示されるトレンドタブなど、フォロワー外にも拡散されやすい仕組みが整っているのもメリットです。例えば、新商品や限定オファーを宣伝する目的でハッシュタグキャンペーンを実施して、バズらせることができれば、広告費をかけずにブランドや商品の認知拡大につなげられます。
顧客とコミュニケーションが取りやすい
Xでは顧客との双方向のコミュニケーションが取りやすいのもメリットです。投稿に対するコメントに返信するだけでなく、タグ付けされた投稿も確認しコメントや反応を残すことで、顧客満足度の向上につなげることができます。
ユーザーの購買意欲を高められる
購入者の口コミや開封動画などのUGC(ユーザー生成コンテンツ)を引用リポストすることで、潜在顧客に実際の使用感が伝わり、購買意欲の向上が期待できます。第三者の信頼性を活かした訴求ができるのも、Xで販売するメリットです。
ECサイトと連携できる
Shopify(ショッピファイ)ストアを運営している人なら、Xと連携することで、Shopifyに登録した商品をX上のプロフィール画面に直接表示・販売できます。シームレスな購買導線を確保でき、コンバージョン率の向上が期待できます。
Xで販売できないもの
Xでは他のソーシャルメディアと同様に、幅広い商品・サービスを販売できます。しかし、公式ポリシーでは以下のようなものは販売禁止であると明記があるため、注意が必要です。
- アルコール
- たばこ関連
- 健康補助食品(例:ビタミン剤やダイエットサプリメント)
- 証券、通貨、金融商品(例:NFTやギフトカード)
- 処方薬や市販医薬品、薬物関連品、違法薬物
- サービス、サブスクリプション、非物理的商品(例:配信サービスのサブスクや音楽・映画のダウンロード)
ほかにも禁止されている商品・サービスがあるため、事前に公式情報を確認しておきましょう。

Xでの販売方法:4つのステップ
1. Xで販売するための要件を確認する
Xのショッピング機能を使い始めるにあたり、まずは事前に公式ポリシーを確認し、要件を満たしているかをチェックしましょう。2026年2月現在、米国ユーザーのみが利用対象である点に加えて、次のような要件が設けられています。
- 米国に拠点がある事業者であること
- 公開設定のProアカウントであること
- 18歳以上であること
- 禁止されている商品カテゴリーに該当する商品のみを販売していないこと
- 自社ECサイトには事業者情報や連絡先、返金・返品ポリシー、配送条件が明記されており、セキュリティ対策がされていること
これらの要件に違反した場合、ショッピング機能の停止やアカウント制限といった措置が取られる可能性があります。
2. Proアカウントに切り替える
Xショッピング機能はProアカウントのみ利用できるため、切り替えが必要です。手順は以下のとおりです。
- サイドバーの「プロフィール」を選択し「プロフィールを編集」をクリックする
- 下部にある「Proに切り替え」をクリックする
- Proアカウントに関するポリシーを確認し、「同意して続ける」をクリックする
- 事業カテゴリーやアカウントの種類を選択する
3. ShopifyストアとXを連携する
Shopifyアプリを使ってストアとXを連携しておくと、商品アップロードがスムーズになります。連携手順は以下のとおりです。
- Shopify App StoreでXアプリをインストールする
- 「Connect Your X Account(Xアカウントと接続する)」をクリックする

- 「Xバンドルを連携」をクリックし「アプリにアクセスを許可」をクリックする
- X Ads Accountの「Set X Ads Account(X広告アカウントを設定する)」をクリックする

- アクセス許可画面が表示されるので「連携アプリを認証」を選択する

4. Xに商品カタログをアップロードする
Shopifyストアとの連携が完了したら、Xでショップを構築しましょう。次の手順で商品カタログをショップにアップロードできます。
- Shopifyダッシュボードの左側にある「X」をクリックする
- 「ショッピングマネージャーで見る」をクリックし、Xのショッピング管理画面に移動する
- サイドバーの「購入」をクリックし、ショップ名や商品セットを設定する
- 右上にある「公開」をクリックする

また、Xショッピングには「ショップスポットライト」機能があります。これを活用すると、Xのプロフィールに最大5つの商品をカルーセル形式で表示できます。手順は次のとおりです。
- Xショッピングマネージャーの左側にある「ショップスポットライト」をクリックする
- プロフィールに表示したい商品セットを選択する
- 右上にある「公開」をクリックする

Xで商品販売するうえで押さえるべきポイント8選
- エンゲージメントを高めるコンテンツを定期的に投稿する
- トレンドを考慮する
- 検索機能を利用してユーザーとの関係を構築する
- 投稿をリスト化し、ユーザーやトレンドの動向を把握する
- X広告を活用して商品をプロモーションする
- Xで認証を受ける
- 他のマネタイズ機能を試してみる
- ソーシャルメディア分析で定期的にチェックする
1. エンゲージメントを高めるコンテンツを定期的に投稿する
定期的な投稿は、ブランド認知度の向上に効果的です。継続的に発信することでユーザーとの接触回数が増え、「よく見かけるアカウント」として認識されやすくなります。
また、エンゲージメントを意識した運用を心がけることも重要です。ユーザーにとって有益な情報や、双方向のコミュニケーションを生み出すコンテンツを投稿することで、ユーザーからの反応が高まります。ユーザーとの信頼関係の構築につながるだけでなく、投稿の表示機会が増えるため、広告コストを抑えた集客も期待できます。
エンゲージメントを高める施策としては、以下のようなものがあります。
- ユーザー生成コンテンツ(UGC)のリポスト:購入者のレビューやSNS投稿などを自社アカウントで発信する
- 動画マーケティング:商品紹介や開封体験の動画、制作の舞台裏、企業独自のストーリーなどを動画で伝える
- コンテンツマーケティング:ノウハウや使い方の解説など、ユーザーにとって役立つコンテンツを投稿する
- プレゼントキャンペーン:リポスト&フォローキャンペーンやいいねキャンペーンなどでプレゼントを提供し、ユーザーを巻き込む
2. トレンドを考慮する
トレンドをうまく活用した投稿を意識することで、トレンド経由での自然流入が期待できます。トレンドは、今まさに多くのユーザーが注目している話題であり、トレンドに関連する投稿は検索結果やおすすめ欄に表示されやすく、フォロワー以外のユーザーにも届く可能性が高まります。
また、トレンドを文脈として取り入れることで、あからさまな宣伝にならず、ユーザーとの距離が縮めやすくなります。話題の流れに沿った発信は共感や反応を生みやすく、結果としてエンゲージメントの向上にも寄与します。さらに、継続的にトレンドを押さえているアカウントは、情報感度が高く、常に動いている印象を与えられる点もメリットです。
無理に流行へ乗るのではなく、自身の発信テーマと関連するトレンドを選び、自然な形で取り入れることを意識しましょう。
3. 検索機能を利用してユーザーとの関係を構築する
Xの検索機能は、カスタマーサービスにも活かすことができます。Xには高度な検索機能が搭載されており、キーワードやハッシュタグ、返信やいいねの件数などから投稿を絞り込めます。この機能でブランドに言及がある投稿に絞り込めば、購入者の投稿にお礼のコメントをしたり、「使い方がわからない」といった内容の投稿に解決策を提示したりなど、顧客とのコミュニケーションを図れます。こうした接点の積み重ねは、顧客からの信頼獲得につながります。
4. 投稿をリスト化し、ユーザーやトレンドの動向を把握する
Xのリスト機能は、業界やユーザーの動向把握に役立ちます。リストとはユーザーをグループ分けできる機能で、リストに追加すると特定のアカウントの投稿だけを専用のタイムラインで確認でき、必要な情報を効率よく追うことができます。
例えば、次のようなカテゴリー分けや活用方法が考えられます。
- 既存顧客や潜在顧客:顧客の声(カスタマーボイス)を収集しニーズを把握することで、商品開発やサービス提供に活かす
- 競合他社:どんなマーケティング戦略やキャンペーン施策を実施しているかを分析し、自社の課題改善に役立てる
- 業界ニュースを発信しているアカウント:業界の最新トレンドや動向をすばやくキャッチする
5. X広告を活用して商品をプロモーションする
商品を効果的に宣伝するには、X広告も活用するとよいでしょう。X広告とは、X上のタイムラインや検索結果に表示される広告サービスで、テキスト・画像・動画など多様な形式で配信できます。幅広い年代・性別のユーザーにリーチでき、通常の投稿よりも確実に商品情報を届けられるのが大きな強みです。
また、地域・年齢・興味関心・検索キーワードなどを細かく設定できるため、関心の高いユーザーにピンポイントで配信できる点もメリットです。キャンペーン目的に応じて使い分けられるよう複数の広告タイプが用意されているため、認知拡大・クリック誘導・コンバージョン率アップなど多様な施策に対応できます。
6. Xで認証を受ける
認証バッジを取得することで、ユーザーに信頼できるブランドだと認識してもらいやすくなります。認証バッジとは、公式性や信頼性を示すチェックマークのことで、プロフィール名の横に表示されます。現在は有料サブスクリプションの加入や所定の要件を満たすことで取得でき、ビジネス用途でも活用されています。
認証を受けると、次のようなメリットがあります。
- アカウントが公式と見なされることでユーザーからの信頼感が高まる
- なりすましアカウントと区別しやすくなり安心感を与えられる
- 認証を受けることで広告出稿が可能になる
一方で、認証には月額費用が発生する点や、有料化により誰でも取得可能になったため必ずしも信頼性の保証になるわけではない点には注意が必要です。プランや活用目的を踏まえ、費用対効果を検討して取得を判断することが重要です。
7. 他のマネタイズ機能を試してみる
Xには複数の収益化機能が用意されており、商品販売と組み合わせて活用することで利益を最大化できます。代表的なマネタイズ機能には、クリエイター収益共有プログラムとサブスクリプションの2つがあります。
クリエイター収益共有プログラム
クリエイターがコンテンツをXで作成することで、エンゲージメントに応じた収益を受け取れる仕組みです。Xプレミアムに加入していて、フォロワー数やインプレッション数などの条件を満たしているアカウントが対象です。日常的な投稿そのものを収益につなげられるのがメリットです。
サブスクリプション
クリエイターや企業が月額制会員サービスを運営できる仕組みです。料金を設定することで、参加者だけが閲覧できる限定コンテンツや特別な体験を提供できます。広告表示による収益とは異なり、会員が継続して利用することで、安定した収入を得やすい点が大きな特長です。
8. ソーシャルメディア分析で定期的にチェックする
Xで販売成果を高めるには、アナリティクス機能を活用したX分析が欠かせません。Xアナリティクスでは、アカウント全体と各ポストのそれぞれで、インプレッション数やエンゲージメント、プロフィールへのアクセス数などさまざまな指標を確認できます。こうした分析情報を使うことで、感覚に頼った発信ではなく、データに基づいた運用が実現できます。
まとめ
Xは、認知拡大から集客、販売、顧客理解までを一貫して担えるソーシャルコマースの場として活用できます。検索機能やアナリティクスを活用してユーザーのニーズや動向を分析し、それをもとに広告や投稿を戦略的に運用することで、商品を効果的にユーザーに届けることができます。
さらに、Xショッピング機能が日本でも展開されれば、ECサイトや実店舗と連携したマルチチャネル販売の一環としてXを活用できるようになります。サービス開始時に収益につなげられるよう、日頃から価値ある情報を定期的に発信し、コメントや返信機能を使ってユーザーとの交流を深めるなど、エンゲージメントの高いアカウントを育てておくことが重要です。
よくある質問
Xショッピングは日本でも使える?
公式情報によると、2026年2月時点ではXショッピングは米国ユーザーのみ利用できます。
Xのショップスポットライトとは?
ショップスポットライトとは、Xのプロフィール上に自社商品を最大5つ掲示できる機能です。カルーセル形式で商品情報が表示され、クリックするとECサイトに遷移される仕組みです。2025年1月頃日本でも導入されましたが、現在はサービス停止となっています。
Xで販売するにはProアカウントが必要?
米国ユーザーでXショッピング機能を利用する場合は、Proアカウントが必要です。ただ、Xを宣伝などに活用して物販する場合は必要ありません。Xは通常アカウントのままでもビジネス向け投稿の発信や販売活動が可能で、Proアカウントは追加機能を利用したい方向けのオプションとして用意されています。
文:Ryutaro Yamauchi





