EC事業をはじめるにあたり、販売チャネルとしてAmazonへの出品を検討する方は多いでしょう。一方で、競合が多い環境で本当に売り上げを伸ばせるのか不安を感じたりするケースも少なくありません。
そこで本記事では、Amazonで売り上げを伸ばす14の方法を解説します。これからAmazonに出店する方はもちろん、すでに出品していて売り上げが伸び悩んでいる方、自社ECサイトとのマルチチャネルを検討している方も、ぜひ参考にしてください。
Amazonで売上アップするための14の方法
- セラー出品にする
- 大口出品に設定する
- ShopifyストアとAmazonを同期させる
- Amazonの商品紹介(Aプラス)コンテンツを活用する
- メインとサブの商品画像を最適化する
- Amazon SEO対策をする
- おすすめ出品の獲得を目指す
- 競合分析・市場調査を行う
- 適切な価格設定にする
- 商品ページを改良する
- FBAの活用とプライムマークを表示する
- Amazon広告を活用する
- 良いレビューを増やす
- 在庫切れを防ぐ
1. セラー出品にする
Amazonにはベンダー出品とセラー出品の2種類の出品形式があり、Amazonで売上を伸ばすためには、セラー出品を選択することが重要です。以下が、主な違いです。
- ベンダー出品:Amazonが商品を買い取り、販売を代行。運営負担は少ないが、販売価格の設定権がなく利益率が低下する可能性が高い
- セラー出品:自社で直接出品し、販売価格を自由に設定可能。商品登録や管理の手間はあるものの、市場の変動に合わせた柔軟な価格戦略が可能
セラー出品であれば販売価格を自社でコントロールできるため、戦略的な利益確保が可能になります。
2. 大口出品に設定する
Amazonの出品プランには以下の2種類があり、売り上げを最大化させたいときは、広告やレポートが利用できる大口出品を設定しましょう。
- 小口出品:商品1点ごとに100円+販売手数料
- 大口出品:月額4,900円+販売手数料。広告運用、検索結果の上位表示など、売上拡大に不可欠な機能を利用可能
コストを抑えるために小口出品を選ぶのも一つの選択肢ですが、広告運用や商品ページ改善を通じて継続的に売り上げを伸ばすのであれば、大口出品のほうが戦略の幅が大きく広がります。
3. ShopifyストアとAmazonを同期させる
Shopify(ショッピファイ)で自社ECサイトを運営している場合、Amazonの販売者アカウントと同期することで、商品登録や価格、在庫管理を一元化できるため、マルチチャネル販売を効率的に行えます。業務負担の軽減や在庫切れによる販売機会損失の防止が可能になり、売り上げアップにつながるでしょう。
また、集客力の高いAmazonを販売チャネルとして活用することで、新規顧客の獲得が期待でき、Shopifyの分析ツールを利用すれば売れ筋商品の把握や、マーケティング戦略の改善にも役立ちます。
なお、Amazonの出品規約に沿っていない商品は、同期が正常でも反映されない場合があるため注意が必要です。
同期は、Shopify App Storeの「Marketplace Connect(日本語未対応)」アプリをインストールし、案内に従って設定します。
4. Amazonの商品紹介(Aプラス)コンテンツを活用する
商品ページに画像や説明文を追加できるAmazonの商品紹介(Aプラス)コンテンツを活用することで、画像や比較表を用いた視覚的な訴求が可能になり、商品の特長をわかりやすく伝え、競合との差別化を図れます。Aプラスを利用するには大口出品への登録が必須です。
Aプラスには以下の2種類があります。
- ベーシック商品紹介:画像とテキストによる標準的なコンテンツ
- プレミアム商品紹介:動画やカルーセルなど、より高度な表現が可能なコンテンツ
プレミアム商品紹介は、ブランドストーリーの登録などの一定要件を満たすことで利用可能です。条件を満たす場合は積極的に活用することで、商品理解の促進や売上向上が期待できます。
5. メインとサブの商品画像を最適化する
メイン画像は検索結果に表示されるため、クリック率を左右する重要な要素です。高画質で、商品そのものの魅力が伝わる写真を用意しましょう。ただし、メイン画像には厳格なルールがあり、違反すると掲載できません。
主なポイントは以下のとおりです。
- 背景:RGBカラー値(255, 255, 255)の純白背景
- 画像サイズ:最長辺500px以上、10,000px以下
- 表示内容:商品本体のみ(テキスト、ロゴ、小道具などは不可)
- 占有率:商品が画像の85%以上を占め、全体が収まっていること
- 表示方法:マネキンやハンガーの使用、重複表示は禁止
- カテゴリー別の規定:靴や衣類など、カテゴリーごとの個別ルールを遵守
メイン画像は余計なものを入れず、実際の商品だけを白い背景で鮮明に写すことが基本となる一方、サブ画像は規定が比較的緩やかです。使用シーンや細部が伝わる写真を6枚以上掲載しましょう。商品紹介動画も登録できるため、商品理解を深める手段として活用すると効果的です。
6. Amazon SEO対策をする
Amazon内で上位表示を狙うには、Amazon SEO対策が欠かせません。GoogleのSEO対策と同様に、適切なキーワードを選定することで検索結果の上位に表示され、商品ページのクリック率や購入率の向上につなげられます。
Amazon SEO対策では、以下のポイントを意識しましょう。
- キーワードのリサーチ:Amazonサジェスト(検索窓に表示される関連キーワード)、Amazon広告レポート、競合の同一商品、ECサイト内検索クエリの分析
- タイトルのキーワード設定:重要キーワードをタイトル前半に配置、Amazonのガイドライン準拠
- タイトル文字数の最適化:推奨文字数(60〜80文字)を意識した簡潔なタイトル
- メイン画像の最適化:規約を守りつつ、高画質で商品の特長が伝わりやすい画像の設定
- 商品説明・箇条書きの最適化:キーワードを含める、箇条書きの適切な利用(3〜5つ)、記載ルールの統一
- バックエンドキーワードの設定:検索結果には表示されない検索キーワードへの、表記ゆれ・関連語の登録
7. おすすめ出品の獲得を目指す
おすすめ出品(旧:カートボックス)は、商品ページ右上に表示され、購入者が直接カートに追加できる重要な枠です。同一商品を複数の出品者が販売している場合、Amazonの基準にもとづき、条件を満たした出品者のみが掲載されます。
掲載対象となるには、大口出品者であることに加え、注文不良率や出荷遅延率などの出品者パフォーマンスが良好であること、そして一定の販売実績を満たしていることが求められます。また、競争力のある価格が提供されていない場合、商品詳細ページにおすすめ出品が表示されないこともあります。
8. 競合分析・市場調査を行う
競合の商品ページを分析することで、既存顧客のニーズや新たな販促の機会を見つけられます。
- 競合レビューによる顧客心理の分析:顧客の本音が集まる競合のレビュー欄から、高評価のポイントや不満点を抽出。競合が評価されている点は商品説明で強調し、批判されている箇所が自社の強みであれば訴求ポイントとして積極的に活用
- 競合ページの更新追跡:競合の季節やトレンドに伴う画像・説明文・価格の変化を記録。ランキング変動との相関を分析することで、自社ページの改善タイミングや、競合の在庫切れに乗じた広告強化などの戦略立案が可能
- 関連商品での共同マーケティングを検討:カメラとメモリーカードのように、補完関係にあるブランドとのパートナー契約を検討。共通のターゲット層へ効率良くアプローチし、相互の認知度向上を図る施策が可能
市場分析が十分でないと、需要が少ない商品に注力してしまったり、強すぎる競合に埋もれてしまったりして、売り上げが伸び悩んでしまいます。出品前に、検索ボリュームや競合数、平均価格帯、上位商品のレビュー数などを正確に把握することが大切です。
9. 適切な価格設定にする
商品の価格設定は、Amazonで競争優位性を得るうえで重要なポイントの一つです。カテゴリー内で最も安い商品を目指す必要はありませんが、顧客がコストパフォーマンスに納得できる価格提示が求められます。
価格を最適化するポイントは以下のとおりです。
- 購入ハードルを高くしない:どれほど品質や評価が良くても、他社と比較して高価すぎれば選ばれません。安く買えることを期待してAmazonを利用する層を考慮し、競合と遜色のない価格になるよう設定しましょう。
- 割引プロモーションの活用:検索順位が低いときは、期間限定セールやクーポン配布によって商品の露出を増やし、購買意欲を刺激しましょう。
- Amazon公式セールへの参加:初売りやサイバーマンデーなどのビッグセール、数量限定タイムセールなどに参加し、それに合わせた価格調整を行いましょう。
10. 商品ページを改良する
顧客が商品ページを開いたとき、情報のまとまっていない紹介文では離脱を招くため、商品の魅力を直感的に伝える工夫が必要です。そのためには、商品仕様やサブ画像、商品紹介コンテンツの改善、ブランドの価値観や世界観を一貫した語り口で伝えるブランドボイスの活用などが不可欠です。
- 商品仕様の最適化:箇条書きでカタログページ上部、商品画像の右側などユーザーの目に付きやすい位置に表示されることを活かし、消費者のニーズを解決する方法、競合より優れたメリット、バリエーション、保証内容などを簡潔に記載しましょう。
- 顧客視点の構成:商品説明では顧客が知りたい情報を上に配置し、順番に理解できる構成にしましょう。
- 比較表やQ&Aの追加:似た商品の比較表や、顧客が抱くであろう疑問を先回りして解消するQ&Aを追加しましょう。
- ブランドストーリーの追加:顧客の感情に訴えかけるようなブランドの背景や価値観を全商品ページで共有しましょう。
11. FBAの活用とプライムマークを表示する
FBA(フルフィルメントby Amazon)は、受注対応から発送、在庫管理、カスタマーサポートまでをAmazonに委託できるフルフィルメントサービスです。運用負荷を軽減しながら、安定した配送品質を実現できます。
FBAを活用することで、プライム会員向けの翌日配送・送料無料・返品手数料無料などの特典が適用され、購入ハードルの低下や顧客満足度向上につながります。
また、プライムマークが表示されることで、Amazonが定める配送基準を満たした商品であることが示され、検索結果での上位表示や、購入時の安心感をユーザーに与える効果が期待できます。
12. Amazon広告を活用する
Amazonでのオーガニック検索からの流入が伸び悩んでいる場合は、Amazonのクリック課金制の有料広告が有効です。クリック課金制のため前払いは不要で、少額からはじめられます。また、予算上限を設定できるため、想定外の広告費が発生するリスクも抑えられます。
Amazon広告には、次の3種類があります。
スポンサープロダクト広告
スポンサープロダクト広告は、Amazon広告の中で最も一般的に利用されている広告です。商品が検索結果や商品詳細ページに表示されるほか、Amazonが管理する外部サイトにも配信されます。
特定の検索キーワードを指定して配信する方法に加え、Amazonのシステムが関連性の高いキーワードを自動で選定する配信方法も利用できます。
日本の男性向けスキンケアブランドAMBiQUE(アンビーク)は、株式会社GROOVEの支援のもとスポンサープロダクト広告を活用し、前年比で売り上げを422%伸ばしました。
スポンサーブランド広告
スポンサーブランド広告は、ブランドの認知度向上を目的とした広告で、ブランドストア(Amazon内のブランドページ)との相性が良い点が特徴です。
検索結果の上部や商品ページに表示され、ロゴ、カスタム見出し、複数の商品を組み合わせて訴求できます。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告(旧:スポンサーディスプレイ広告)は、外部のウェブサイトやアプリ上にも広告を配信できるため、より広範なユーザーへのアプローチが可能になります。
画像やテキストなどのビジュアル要素と、商品ページへ誘導するCTA(コールトゥアクション)を組み合わせられます。
13. 良いレビューを増やす
レビューは顧客がAmazonで商品を購入する際の判断材料となるため、質の高い良いレビューが多いほうが商品は売れやすくなります。
良いレビューを増やす方法には以下のようなものがあります。
レビューリクエスト機能で依頼する
レビューリクエスト機能を活用すれば、注文ごとに購入者へレビュー依頼を送信することが可能です。商品到着後5〜30日の間に依頼できるため、購入体験の記憶が新しいうちにアプローチできます。
設定方法は以下のとおりです。
- 販売者アカウントの管理画面「Seller Central(セラーセントラル)」にログイン
- 「注文」>「注文管理」をクリック
- 「注文の詳細」を開く
- 「レビューをリクエスト」を選択して送信
Amazon公式機能を利用した依頼であるため、ガイドライン違反のリスクが低く、安心して活用できる点もメリットです。
Amazon Vineを活用する
レビューがなかなか集まらないときは、公式プログラムのAmazon Vine(アマゾン・バイン)が有効です。Amazon VineはAmazonが選定した信頼できるレビュアー(Vineメンバー)に商品を無償提供し、レビューを依頼する仕組みです。有料ですが、質の高いフィードバックを早期に獲得でき、成約率の向上に直結します。
ただし、Amazon Vineを利用するには以下の条件を満たす必要があります。
【出品者】
- 大口出品者である
- 「Amazonブランド登録」にブランドを登録している
- ブランドオーナーとして認定されている
【対象商品】
- レビュー数が30件未満である
- FBAを利用している
- 新品販売である
- 登録時にすでに出品を開始している
- 在庫がある
- 商品画像や商品説明が正しく設定されている
- アダルト商品ではない
- セット商品ではない など
低評価レビューが投稿された場合
低評価のレビューは、商品の信頼性や購入率を下げる要因となります。しかし、記載された不満点は商品やサービスを改善するための貴重なフィードバックでもあります。
そのため、悪いレビューが投稿されたときは、カスタマーサービスの一環として丁寧な返答を行い、購入者の不満解消に努めましょう。さらに、指摘内容を分析し、商品品質の向上や梱包・配送プロセスの改善に活かすことが重要です。
商品説明の不足や誤解が原因である場合は、商品ページを見直し、正確な情報が伝わるよう改善することで、同様の低評価を未然に防ぐことができます。
14. 在庫切れを防ぐ
在庫切れは売り上げの低下に直結するため、正確な在庫管理が重要になります。在庫切れが発生すると、商品は検索結果に表示されなくなり、商品が顧客の目に触れる機会そのものを失ってしまいます。
また、在庫切れを原因とした注文キャンセルは出品者パフォーマンスの低下につながり、「おすすめ出品」への掲載機会を失うリスクを高めます。これは短期的な売上減少だけでなく、長期的な販売機会にも影響します。
特に、Amazonプライムデーやブラックフライデーなどの大型セール期間中は注文が急増するため、通常時以上に計画的な在庫管理が重要です。
まとめ
Amazonで安定して売上を上げるためには、適切な出品プランの選択と、各種機能を活用した継続的な改善が欠かせません。特に、大口出品は月額費用が発生するものの、おすすめ出品への掲載やAmazon商品紹介(Aプラス)コンテンツ、Amazon Vineの利用など、売上拡大に直結する施策を実行するための前提条件となります。
本記事で紹介した14の施策を参考に、自社の商品や運用状況に合わせて、取り組みやすいものから順に実践し、売り上げ向上を目指しましょう。
Amazonの売上アップに関するよくある質問
Amazon Vineとは?
Amazon Vine(アマゾンバイン)とは、Amazonが選定した信頼性の高いレビュアー(Vineメンバー)に商品を提供し、率直なレビューを投稿してもらう公式プログラムです。
Amazon広告の費用は?
Amazon広告はクリック課金制で、クリック単価はオークション方式により変動します。ただし、広告費用の上限をあらかじめ設定できるため、予算を管理しながら安心して運用できます。
Amazon広告の内部と外部の違いは?
Amazon広告では、Amazon内の検索結果ページや商品ページを「内部」、Amazonが管理する外部サイトを「外部」と呼びます。
文:Momo Hidaka





