ロゴはブランドの「顔」となる存在です。ブランドの価値や理念を顧客に伝える役割を担っており、ウェブサイトや名刺、商品パッケージ、製品ラベルなど、あらゆる場面で使用されます。ブランド認知度の向上やブランドイメージの定着においても重要な要素といえるでしょう。
この記事では、ロゴデザインのアイデアを具体例とともに解説しています。ロゴ制作のポイントやデザインツールも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ロゴデザインの重要性
ブランドの認知度を高められる
優れたロゴデザインは消費者の記憶に残りやすく、ブランドの認知拡大につながります。ブランドの特徴が的確に表現され、ブランドの性質が伝わるロゴにすることで、市場で顧客に見つけてもらいやすくなり、他社との差別化も図れます。
ブランドの第一印象を形成できる
ロゴは最初に顧客の目に入る要素であり、ブランドの第一印象を決定づける強力なツールです。メラビアンの法則によると、第一印象は3~5秒で決まるほか、印象の55%は視覚情報から形成されます。ブランドの理念、雰囲気、性質など、ターゲット層に与えたいメッセージを反映したロゴデザインにすることで、初めてブランドを知った人にも価値観や世界観を直感的に伝えられます。
顧客に信頼感を与えられる
ロゴデザインは、ブランドの信頼性を高める重要な要素です。プリンストン大学の調査(英語)によると、人はわずか0.1秒で対象が信頼できるかどうかを判断することがわかっています。洗練されたロゴを採用することで、プロフェッショナルな印象を演出でき、顧客に安心感を与えられます。
社内ブランディングの強化につながる
ブランドの想いやコンセプトを込めたロゴデザインは、一緒に働く仲間やチームとの感情的なつながりを強化します。デザインの背景を伝え、積極的にロゴを使用していくことで、ブランドの価値観や方向性を社員と共有できます。「自分もこの価値観を体現する一員である」という意識が芽生えることで、帰属意識の向上にもつながります。
ロゴデザインのアイデア7選
- 社名・ブランド名の文字のみを使用する
- タイポグラフィを活用する
- 文字ベースにシンプルなグラフィックを取り入れる
- イニシャルをモチーフ化する
- 業種やサービスをモチーフにして取り入れる
- マスコットやキャラクターを使用する
- 余白に意味を持たせる
1. 社名・ブランド名の文字のみを使用する
社名そのものやイニシャルをデザイン化した文字のみのロゴは、遠くからでも見分けやすい視認性の高さと、さまざまなマーケティング媒体に幅広く応用できる汎用性の高さがメリットです。
文字のみのロゴの例には、家具とインテリア用品を扱うニトリや、レディースアパレルブランドのアングリッドがあります。
2. タイポグラフィを活用する
タイポグラフィを活用することで、メッセージが瞬時に伝わるロゴを作成できます。タイポグラフィとは文字を美しく、かつ読みやすく見せるデザイン手法で、次のようなテクニックを活用できます。
- メッセージに合わせたフォントの選択:ブランドアイデンティティとフォントの特徴を照らし合わせて書体を選ぶことで、消費者に一貫したメッセージを伝えられる
- フォントの複数使用:社名などの強調させたい部分と他の文字にそれぞれ異なるフォントを使用することで、視線を重要な情報に自然と誘導できる
- サイズ・色・太さの調整:視覚的コントラストが生まれ可読性が高まり、情報が伝わりやすくなる
- 行間や字間の調整:行間や字間を整えることで、デザイン性と視認性が向上する
たとえば、ぬくもり工房のロゴは、伝統的な雰囲気を伝える楷書体の日本語表記と、小さくても視認性が高く、モダンなゴシック体の大文字アルファベット表記が採用されています。伝統を尊重しながらも、革新的な取り組みをする同工房の活動が伝わるロゴです。
3. 文字ベースにシンプルなグラフィックを取り入れる
文字ベースのロゴにシンプルなグラフィックを組み込むのも効果的です。モチーフが表す意味を反映できるため、メッセージ性の強いロゴに仕上げられます。また、グラフィックを活用すると、記憶に残りやすくなるのもメリットです。
キャラクター制作やキャラクター商品の販売事業などを展開するサンエックスは、末尾の「X」に四つ葉のクローバーのモチーフを取り入れ、「幸せを願う」「お客様に幸せを届ける」というメッセージを込めています。
4. イニシャルをモチーフ化する
イニシャルをモチーフ化したロゴは、社名やサービス名とロゴが結びつきやすく、ブランドの認知拡大が期待できます。また、アプリアイコンなどに転用しやすいこともメリットです。
ビジュアル検索プラットフォームPinterestは、イニシャルの「P」の文字を、同社のメイン機能である「ピン」のモチーフで表現しています。企業名を使ってサービス内容がわかりやすく表現されている、優れたロゴです。
5. 業種やサービスをモチーフにして取り入れる
取り扱う商品やサービスをモチーフ化しロゴに採用することで、企業の特徴や専門性をわかりやすく消費者に示すことができます。
たとえば、製薬会社の中外製薬は、創業初期の主力製品である注射薬のアンプルを中心に置き、その周りを化学記号のベンゼン核が取り巻いているロゴを採用しています。また、このロゴは中外の「中」も象徴しており、自社の専門性と企業名を効果的にビジュアル化した好例といえるでしょう。
6. マスコットやキャラクターを使用する
ブランドマスコットやキャラクターをロゴに使用することで、親しみやすさや安心感を与えられます。視覚的なインパクトが強いため記憶に残りやすく、ブランド想起を促す点もメリットです。
キャラクターを活かしたロゴの好例として挙げられるのは、健康食品メーカーのわかさ生活です。同社は2021年7月からコーポレートキャラクターのブルブル君を起用したロゴを採用しており、視認性や認知性の向上に成功しています。
7. 余白に意味を持たせる
余白(ネガティブスペース)を有効に活用することも、記憶に残りやすいロゴの作成に有効です。ロゴデザインに意図的に隙間を設けることで、隠された意味を表現したり、目を引くデザインに仕上げたりできます。
たとえば、千葉県流山市にある江戸川大学のロゴは、ネガティブスペースに「江」のイニシャルが隠れたデザインを採用しています。
ロゴデザインを制作する際のポイント
ブランドアイデンティティを決める
ロゴデザインを決めるには、ブランドアイデンティティを確立することが重要です。ブランドアイデンティティは、顧客にどのように認識されたいのかを定義する、ブランドの核となる要素です。明確にしておくことで、ロゴのデザインにもブランドの世界観を反映させることができ、一貫したブランド戦略につながります。
ターゲット層を理解する
ターゲットオーディエンスの属性やライフスタイル、価値観などを把握することも、刺さるロゴを作成するうえで欠かせません。たとえば、ターゲットが若年層であればスタイリッシュでモダンなデザインが考えられるでしょう。サステナブルな取り組みに関心が高い層であれば、シンプルで洗練されたデザインが適しているかもしれません。このように、ターゲット層を理解することで、デザインの方向性が決まります。
色数を絞る
使用する色数を絞ることで、シンプルで認知性が高いロゴに仕上げることができます。色を選ぶ際は色彩心理学を活用し、ブランドが伝えたいメッセージと整合性があるかを確認しましょう。
また、ロゴの色は、ウェブサイトやチラシなど他のマーケティングツールのデザイン決定にも関わります。使用する色数を絞ることで、異なる媒体でも統一感を保ちつつ、視認性を高めることができます。
たとえばサンリオの企業ロゴは、青色1色のみが使用されています。青色は、社名の由来であるスペイン語の「San(聖なる)」と「 Rio(河)」を組み合わせた造語の「聖なる河」を象徴しています。見やすさと世界観を両立した、優れたロゴです。
サイズ変更を考慮する
サイズを拡大・縮小しても視認性に影響がないかを確認しておくことも重要です。ロゴはSNSのアイコンや投稿、メールの署名欄、店舗の看板など、あらゆる企業活動で使用されます。そのため、どんなサイズでも文字が読みやすく、個々の要素がはっきり確認できることが大切です。
似たデザインがないか確認する
ロゴのアイデアがある程度固まったら、類似したデザインが他社で使用されていないかを確認しておくと、意図しない盗用を回避できます。商標の確認には、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」や「Toreru商標検索」といった検索サイトが便利です。また、他社からの模倣を防ぐためにも、ロゴが出来上がったら、商標登録しておくことをおすすめします。
おすすめのロゴデザインツール
自分でロゴをデザインする場合、ロゴ作成ツールが便利です。使い方が簡単なロゴメーカーから本格的なデザインツールまで多岐にわたるため、自分のスキルや状況にあったツールを選びましょう。
Shopifyの無料ロゴメーカー
Shopifyロゴメーカーは、数秒でロゴをデザインできる無料のツールです。会社名やブランド名を入力し、業界を選ぶと、いくつかのロゴデザイン候補が瞬時に作成されます。気に入ったものをそのまま使うことも、フォントや色などをカスタマイズすることも可能です。
Canva
Canva(キャンバ)は無料のグラフィックデザインツールです。プロのデザイナーが手がけたデザイン性の高いロゴテンプレートが多数提供されています。基本となるテンプレートを選択し、文字、ロゴの色、形をカスタマイズすることで、簡単にオリジナルロゴが作成できます。データ共有ができるため、他の人との共同作業も可能です。
Adobe Express
Adobe Express(アドビ・エクスプレス)は、誰でも簡単に使えるロゴメーカーです。トップ画面で自社のブランド名とキャッチフレーズを入力し、好みのアイコンとデザイン用ロゴを選択するだけでロゴが生成されます。生成されたロゴのカラーを変更するなどのカスタマイズも可能です。
Adobe Illustrator
Adobe Illustrator(アドビ・イラストレーター)は、印刷業界で標準的に使用されているデザインソフトで、デザインスキルの高いユーザー向けのツールです。拡大縮小を重ねても劣化しない形式で、汎用性の高いデータを自由に作成できます。7日間の無料体験期間があるので、まずは試してみて使用感を確認してみるといいでしょう。
まとめ
ロゴは、ブランド認知を向上させ、他社との差別化を図り、商品やサービスの信頼度を高める重要な役割を果たします。一貫したメッセージを届けるロゴに仕上げるには、自社のブランドアイデンティティを明確にした上で、それに沿うフォントやモチーフ、色を選択することが重要です。
「作成前に知っておきたいロゴの種類:6タイプ別に解説」や「ロゴのデザイン方法:作り方と考え方」の記事も参考にしながら、かっこいいロゴデザインを考えてみましょう。
よくある質問
優れたロゴとは?
優れたロゴとは、シンプルで他社と差別化され、自社のブランドアイデンティティを強く印象づけるロゴです。拡大・縮小しても視認性が高く、印刷物やウェブサイトなど、どんなマーケティングツールに使用しても明確に認知される必要があります。また、長期的に使用できるデザインであることも重要です。
自分でロゴをデザインできる?
はい、自分でロゴをデザインすることは可能です。既存のテンプレートやロゴデザインツールを活用すると容易に作成できます。自分でデザインする際は、意図しない盗用を防ぐためにも、他社で類似したデザインがないかどうかを確認しましょう。
ロゴを使用するメリットは?
- ブランドの認知度を高められる
- ブランドの第一印象を形成できる
- 顧客に信頼感を与えられる
- 社内ブランディングの強化につながる
文:Tomoyo Seki





