デジタル商品を販売するネットショップは、物理的な在庫を持たない無在庫販売ができるため、保管や発送のコストを抑えやすいビジネスです。しかし、販売できるデジタル製品を持っていない場合、事業を始めるのは難しいと考える方もいるでしょう。
その解決策となるのが、デジタルドロップシッピングです。この記事では、このビジネスモデルの概要やドロップシッピングの始め方、成功させるコツについて解説します。デジタル商品の販売を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

デジタルドロップシッピングとは
デジタルドロップシッピングとは、クリエイターや企業が作成したデジタル商品を自社ネットショップや外部プラットフォーム上で販売するビジネスモデルです。物販のドロップシッピングとは異なり、納品は通常ダウンロードや閲覧リンクを提供するだけで完了し、仕入れ先へ発送依頼を出す手間がかかりません。
デジタルドロップシッピングビジネスでは、クリエイターや企業と契約を結び、その商品を自分のネットショップに掲載します。ネットショップ側が著作権などの権利は持たない点には注意しましょう。

人気のデジタルドロップシッピング商品
経済産業省の「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」によると、インターネットで商品を購入したことがある人は、日本に8,261万人います。ここでは、市場規模が拡大するデジタルドロップシッピングビジネスの立ち上げを考えている方のために、ドロップシッピングで売れる商品を紹介します。
電子書籍
電子書籍は、スマホ・タブレットなどに複数のコンテンツを保存できるため、高い需要が見込めます。公益社団法人全国出版協会出版科学研究所の報告によると、2024年における日本の電子出版市場は5,660億円で、前年比5.8%増と成長を続けています。
販売の際はマンガなど特定ジャンルに特化するのか、総合型サイトにするのか、方針を明確にすることが重要です。
オンラインコース(ダウンロード型)
オンラインコースは、通学が必要な教育機関のように時間や場所にとらわれることなく、自分のペースで学べ、柔軟な学習を実現できるため、訴求力がありネットショップの収益を高めるうえで役立ちます。
ジャンルはクラフト制作のような趣味として楽しめるものから、プログラミングなどの専門知識、リーダーシップ論といった自己啓発までさまざまです。商品ラインナップを考える際は、幅広いジャンルを網羅するのも、特定の分野に特化するのもよいでしょう。
デジタルアート
デジタルツールで制作された作品やアナログ作品をデジタル化したものなど、デジタルアートは汎用性が高いため幅広い需要が見込めます。パソコンのデスクトップ背景やSNSのプロフィール画像など、デジタル空間を彩るためによく使われます。また、取得したデータは、自宅などで自分や家族が鑑賞する目的の範囲に限り、印刷して額に入れて飾ることも可能です。第三者への配布や販売、公開に使う場合は、権利者の許諾が原則必要となります。
ソフトウェアライセンス
B2BやB2Cに関わらず、ソフトウェアのダウンロード販売は高い収益性が期待できるビジネスです。その理由は利益率の高さにあり、場合によっては7割以上に達することもあります。たとえばCRMに特化したソフトウェアを販売するSansan株式会社の2024年5月期(通期)決算では、売上総利益率が85.1%と公表されています。
ストックフォト
コストと手間削減のために外部サイトでストックフォトのライセンスを購入し、その写真を利用する事業者が増えているため、販売する写真を厳選し、魅力的なフォトライブラリを作ることができれば、顧客を惹きつけられるでしょう。ただし、無数にあるストックフォトの中から自社の写真を購入してもらうためには、マーケティングの視点から戦略を練る必要があります。
音楽
SNS投稿向けの動画編集が一般的になったことで、BGMや効果音など、音源コンテンツの需要が高まっています。音源データも管理コストが低く、在庫切れの心配もないため、高い利益率が期待できます。
使用楽器、アーティスト名など多様な検索軸を用意し、目的の音源にユーザーが素早くたどり着けるようにするなど、UXデザインを工夫することで、ダウンロード率を向上できます。さらに、YouTuber・映像制作者など、ターゲット別に料金プランを設計することで、販売効果を高められます。
デジタルドロップシッピングビジネスを始める方法
1. 販売する製品分野を決める
デジタル商品には膨大な種類があるため、何を販売するかを慎重に選ぶことが重要です。自分のスキルや興味関心、専門知識に応じて、幅広い商品を扱うか、特定のニッチな分野に特化するかを決めましょう。
たとえばライフスタイル系の写真に関心があり、その分野の写真家とつながりがあるなら、日常写真ライセンスを専門に扱うネットショップを作るのも一手です。競合分析を行い、特定のコンテンツに強い専門ショップとしてニッチな市場を狙うことで、ブランドポジショニングを確立できます。
2. サプライヤーを見つける
決定した分野において、自社ネットショップで商品を販売してくれるクリエイターや企業をリサーチしましょう。電子書籍のジャンルやアートの画風、ソフトウェアの種類など、ショップのコンセプトに合うサプライヤーを探します。商品の品質を確かめるために、契約前にサンプルを請求したり、評判を確認したりすることも大切です。
3. ネットショップを立ち上げる
デジタル商品を販売するためのネットショップを作成します。ECサイト構築サービスのShopify(ショッピファイ)では、以下のようなアプリで簡単にデジタルコンテンツ販売が始められます。
いずれかのアプリを導入することで、デジタル商品のアップロードから販売、購入者へのコンテンツ配布まで対応できます。
4. 差別化を図る
デジタルドロップシッピングでは、販売する商品自体には自社ブランド名が入っていないケースが多いため、ショップそのものの魅力を高めることが求められます。使いやすくて印象に残るサイトデザインや丁寧な顧客対応、ターゲット層に響く広告などを通じて、競合他社との差別化を図りましょう。
また、検索エンジン最適化(SEO)やSNSマーケティング、メールマーケティングなどのマーケティング戦略は、見込み顧客との接点を作り、リピーターを獲得するために有効です。
デジタルドロップシッピングを成功させるコツ
契約書のテンプレートを用意する
物販のドロップシッピングでは、アプリやサイトを通じて卸売り業者と契約することで多数の幅広い製品を扱えます。一方、デジタルドロップシッピングではクリエイターや特定のコンテンツを扱う企業と個別に契約を結ぶ必要があります。契約までの手間や調整時間を減らすためにも、契約書のテンプレートをあらかじめ用意しておくことが重要です。
信頼できるサプライヤーを見つける
デジタルドロップシッピングでは商品を自作しないため、品質を管理するのが難しい側面があります。低品質な商品を扱うと、自社サイトのイメージ低下や顧客からの信頼損失につながるリスクがあるため、サプライヤー選びは慎重に行うことが重要です。相手の実績や過去のレビューを確認し、信頼できるサプライヤーと提携するようにしましょう。
顧客ロイヤルティを高める
顧客が商品と自社サイトを結びつけて認識してくれるようになると、ブランドへのロイヤルティが生まれ、リピートにつながります。そのため、デジタルマーケティングに力を入れて、ショップ自体の存在感を高める必要があります。「あの商品を買った店」として記憶に残るよう、独自のブランディングで差別化を図りましょう。
まとめ
デジタルドロップシッピングは、クリエイターや企業が制作した電子書籍やオンラインコースなどを販売するビジネスモデルです。事業を成功させるには、信頼できるサプライヤーの選定や、ショップの認知度を高める独自のマーケティング施策が欠かせません。
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デジタルドロップシッピングに関するよくある質問
競争が激しいデジタルドロップシッピングで収益を上げるには?
手軽に始められるうえ、維持費や配送コストを抑えて高い利益率を狙えるため、競争の激しい市場ですが、適切なニッチ市場を見つけ、顧客体験を向上させ、効果的なマーケティングを行えば、依然として高い収益を上げられます。
どのようなデジタル商品をドロップシッピングできる?
電子書籍やソフトウェア、写真、デジタルアート、音楽や音声ファイルなど、さまざまなデジタル商品をドロップシッピングで販売できます。
デジタルドロップシッピングのサプライヤーとは?
デジタルドロップシッピングのサプライヤーとは、ネットショップで販売する電子書籍やソフトウェア、写真などのデジタルコンテンツを制作・提供するクリエイターや企業のことです。
文:Yukihiro Kawata





